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- バリウム検査に引っかかった方へ
バリウム検査とは
バリウム検査(上部消化管造影検査)は、食道、胃、十二指腸の病変を確認するための検査です。バリウム検査では通常のレントゲン写真とは異なり、X線を連続して照射し行います。バリウムはX線を透過しないため、口から食道、胃、十二指腸へとバリウムが流れていく様子を動画で観察することができます。
バリウム検査を受けた結果、要精密検査、胃ポリープなどと異常を指摘された方は、胃カメラ検査を受けることをおすすめします。胃粘膜表面の情報については、内視鏡検査の方が高精度で直接観察ができるためです。胃ポリープには大きく分けると、胃底腺ポリープ、過形成ポリープ、腺腫性ポリープの3つがあり、治療が必要なものか経過観察でよいものかを胃カメラ検査によって観察します。場合によっては切除など治療が必要となりますので、健康診断などバリウム検査で引っかかった方は、一度お気軽に当院までご相談ください。
胃底腺ポリープ
胃ポリープの中で多くみられるタイプです。5mmほどの半球状のものがほとんどで、周辺の胃粘膜と同じ色調をしています。胃の中に単独でできることはあまりなく、多くは数個以上の複数で存在します。比較的女性に多くみられ、ピロリ菌のいないきれいな胃の入り口付近に発生する特徴があります。
発生する原因はまだはっきりとはわかっていませんが、胃底腺ポリープは良性のポリープといわれるようにがん化しないため、だいたいが治療不要もしくは経過観察処置となります。また、このポリープができる胃自体、がんが発生する可能性が低いと考えられています。
過形成ポリープ
胃底腺ポリープに次いで多くみられるのが、過形成ポリープです。ピロリ菌が陽性で慢性胃炎をお持ちの方に発生しやすい傾向があります。大きさは2~3cmほどで、形はキノコ状のものや半球状のものがあり、胃の出口あたりにできやすいといわれています。表面が赤く光沢があり、イチゴに似た顆粒状の凹凸がみられます。出血、びらんも多くみられ、これを原因として貧血状態が進行する場合があります。
ほとんどのものについては経過観察で問題ありませんが、大きいものからは、がんができるケースが稀にあります。一方で、ヘリコバクター・ピロリ菌によって起こる胃の慢性炎症が関係しているのではと考えられており、ピロリ菌を除去することによって約70%の割合で縮小、もしくは消失したという効果がみられます。ピロリ菌を除菌した後に出血、がん化の可能性が考えられる場合は、胃内視鏡による切除処置を行います。
腺腫性ポリープ
多くは良性ですが、一部では内部にがんを含んでいるもの、経過の中でがん化するものがあり、必要な場合は切除による治療が行われます。形状として、多くは少し白っぽい色の平坦な隆起がみられ、胃内部の粘膜の萎縮が進んだ高齢の方に多いと考えられています。
主にヘリコバクター・ピロリ菌への感染が認められ、強い胃炎の症状がある方に多い傾向があります。ポリープの中では胃がんのリスクが高いので、病変の状態によっては設備が整った医療機関などで内視鏡での切除が必要になることもあります。